一月終わりの最強寒波。お店の水道管が凍ってしまった。一月後半はやはり冷え込むのだなあ、去年の二月前半に大雪を思い出す。水道管が凍って、気にかけてくれたり直してくれる方がいて、つくづくお店は一人じゃできないのだなあと思う。冬は人のあたたさが沁みる。 ここ数日、営業が終わって駅から家に帰るまでの数分は小走りになり、ひとりで寒い寒いと呟いている。最強寒波の寒さが続くのは勘弁してほしいけれど、好きな季節。 近所のお惣菜屋さんでおかずを買う。名前がついていないようないわゆる家庭料理みたいなものが多くて、最近お世話になっている。 この間はスパイシーな唐揚げとまんまるコロッケを買った。唐揚げ三個一二〇円。コロッケ一個五〇円。コロッケはひき肉や玉ねぎなど具材はなしのじゃがいものみで中山峠の揚げいものような、甘めな味付け。さくっとほくほく。はじめて食べたとき、顔がゆるんだのが分かった。大のお気に入りになった。この間食べた肉なし肉じゃがもまた食べたいおかず。 徒歩圏内に八百屋もパン屋さんもあって、お花屋さんも図書館もある。目の前は公園で気持ちのよい場所。まちを好きになるってこういうことか。足取りも軽くなる春が待ち遠しくなってきた。 本部なかの
投稿日:二〇二三年二月十五
多分、冬の景色や匂いみたいなものが好きなのだと思う。空気が澄んで月が綺麗に見えたり、寒さできらきら光る雪に、きゅっと鳴る足音、帽子のように白い雪をかぶった赤いななかまど。炊き立てごはんの匂いと湯気。冬の食べものの方がおいしそうに感じるのは、子どもの頃の思い出が関係していて、とくに大切なものばかりだからだと思う。暑いときの”つめたい”より、寒いときの”あたたかい”のほうが記憶に残るんだろうか。
日によってラインナップが違うので今日は何があるだろうと、外から中を覗く。入口のガラスが曇っていて中がよく見えない。店内のショーケースも、一部曇っている。”手づくりおはぎ”と書いてあるのPOPの先に、おはぎが並んでいるかがわからない。そこから会話も生まれたりして、これも冬だからこそなのか、と思ったらなんだか一人ほっこりする。夏になったら見えるようになるのか、密かに気になっている。