投稿日:二〇二二年十一月二十九日

本部で夜のレモンのサヴァランを始めた。言葉の響きが良いなと思う。
なんだか口にしたくなる。
サヴァラン。

サヴァランというものをちゃんと食べたことがなかったので、札幌の老舗洋菓子屋さんのサヴァランを食べた。
オーダーしてからクリーム等を詰める、出来立てサヴァラン。洋酒がしっかり効いていて、想像以上に大人のおやつだった。
チョコレート屋さんのサヴァランを食べた。
友人がお家に来てくれた時に、「サヴァラン食べられた?買ってきたよ」と。嬉しいなあ。オレンジベースでアルコールは少なめ、カスタードも入っていて食べやすい。食べ進めるとひたひたのシロップ、どちらもじゅわっと。これがサヴァランか。新たなおやつとの出会いはたのしい。

話は変わるけれど、ママがつけるメニューの名前が好き。

・するり、さらり、ごくり
・おとな・こどものクリームソーダ
・夜のサヴァラン
・青春
・初恋

青春、初恋なんて食べものじゃないのに、しっくりくる。(正体は梅ソーダ)そこから連想する気持ちや情景、例えば年齢や天気や気温、思い出とか。そんな名前をつけたとたん、なんだがより愛着がわく。会話も生まれる。

夜のレモン・サヴァラン。
”夜”とついただけで本部の夜が目に浮かんだ。金森さんのライブの情景も思い浮んだこともあって、ライブの日からスタートした。

金森さんのギタレレライブは、とても心地よい夜だった。目の前の音楽に向き合って、集中して聴ける時間。この空間だからこそ。
曲名に伴って自分の頭のなかでいろんな情景を思い出して音色に浸る。ゆったりしながらもどこか気持ちがしゃんとして、不思議な感覚だった。夜のレモンサヴァランを食べる初めてのお客さまが、金森さんでよかったな。

つばらにいると、好きな食べものが増えていく。

「好きなものは思い出がいっぱい詰まっているから、思い出をいっぱい食べているようなものだね」

好きな本の、好きなことば。食べものに関わる仕事を長年続けているけれど、その根っこにはこんなところもある。これから先も思い出がどんどん増えていくのだから、未来は明るいなあと思う。

本部 なかの