投稿日 二〇二一年九月七日

一番好きな秋が始まっていた。
少し遠くを眺めたらもう
植物は秋色で
とうきびは終わりに近づき
梨を食べていた。
日々は流れながれてゆく。

緊急事態宣言が出てまたクラシックは休業。
本部が九才を迎え、また息を吹き返す。
落ち着かない日々に
嬉しい気持ちの日と、気が上がらない日と、
急に悲しくなってしまう日と、イライラする日と、気持ちが忙しなくていろいろついていかない。

本部の九才はとてもうれしい。
久しぶりに顔がみられたお客さんとか、友人とか、はじめましての方々にも、この場所を作ったことを誇りに思うくらい、やっぱりここが好きだと思う。
けれど久しぶりにお店に立つと、どうにもしっくりこない。私の居場所が見当たらない。
それもそのはずだった。
私以外の人たちが、このお店に立ってくれて、それぞれの顔をしてお店を作ってきてくれた。もう、私だけのつばらではない。
それを少し寂しいような、嬉しいような気持ちで見守る。
次に本部を繋いでくれたスタッフは、クラシックにいた中野だ。
バタバタと本部を回している姿をみて逞しさを感じる。
いつも、私の想いを汲んで私の後ろ盾になって働いてくれていた。
次は正面切って、凛と立つだろう。
彼女が彼女の想いで、つばらを育てて欲しいと願う。

クラシックは一才と半分。
まだまだひとりで歩けない。目が離せない。
少しずつ、通ってくださる方が増え、
スタッフも仕事を覚え、少しは成長したけれど
足元は覚束ない。
ここを15年やってきたマスターの背中は遠い。
このご時世で普通の事を普通にできない歯痒さと焦りがある。
まだまだだけれど、人に救われていること、
人に生かされていること、スタッフがそれぞれ想いを感じとり、楽しく仕事をしてもらいたい。

なにはともあれ、はやくコロナという異常事態が収束し、平常心で、穏やかな日常がやってくる日を望む。

みなさま、どうぞお元気で。
しばらくお会いできていないみなさまも、
どうぞご無事で。
元気でいれば、いつか。
ご縁があれば必ず
願いや想いは叶うと信じている。

秋は決まって少しせつない。