投稿日 二〇二三年九月一日 私のあたらしい人生がはじまった日 あっというまの十一年だった。 私は喫茶店という場所が好きだ。 誰かの意味のある場所にしたいと長年思ってきたけれど、時代は変わりゆき、 わたしがつばらでできること。
十一年前の私は、今より十一歳も若くて
体力も気力も満ちていて、
よしやったるぞー!と鼻息荒く、
反面、本当に私ひとりでやっていけるのかという不安を抱えながらお店を開けた。
それからの私の人生は面白いように変わっていく。
単色だったキャンパスが、カラフルに色づいていった、という表現がぴたりとくる。
気づけば両脇に猫を抱え、スタッフを抱えて
お店という場所に立つ。
大波小波、ざぶざぶ泳いでゆらゆらと。
溺れたり、陸に上がったりしながらここにいる。永遠に真っ直ぐは進めないだろう。
どんなときもどんな人も受け入れてくる
間口の広い場所でありたかった。
悲しいとき喫茶店で飲む珈琲は苦くて、
しあわせな時の珈琲は甘くて、
自分勝手に使える場所で、
行くだけで救われた気持ちになる。
喫茶店の意味が多様化している。
みんな違って、みんないい。
そういいきれる自信がないほど、
世の中のインターネットの情報が錯乱し、
昔ながらの姿勢を貫くのは難しくなってしまった。
それは、なんでしょうね。