投稿日 二〇二二年七月二十二日

十九時十八分
外がオレンジではなく黄土色
土が錆びたようないろ
はじめてだろう
不思議な夕暮れ
雨が降るのだろうか

窪美澄が直木賞をとった。
好きな作家のひとりで、
昔、友人のマスターが教えてくれた人。
はじめて読んだ作品に胸が震えて、
すぐにほとんどを読みあさった。
好きなものへの偏りは大きい。
まだまだ知りたくて、一日中本だけ読んでいたいくらい。
想像したら、最高だった。

けれど最近は映画ばかりみている。
昔はほとんどの時間を映画館で寝ていた。
ちゃんと選んで楽しみにしてみに行くのに、
オープニングからエンディングまで寝てしまう(友人からはこの映画の見方を、でむる、と言われていた)
今は、でむらない。
ちゃんと空間の中でスクリーンをみつめる。
周りも気にならないし、引き込まれるとあちらの世界にいて、終わったあとはしばしこちらに帰ってくるのが大変なほど。
昔よりも内容が噛み砕けるようにもなった。
映画館でみる時間の贅沢もわかる。
経験値が増えて、ちょっとずつ、
おとなになっている。

おとなも悪くない
まだまだおとなのおいしい部分を知りたい
肉厚な、旨味のあるおとなになりたい
噛めば噛むほど、癖になられたい。

愉快でやさしいおとなに
なれますように。