投稿日:二〇二二年十一月二十三日

この二、三週間は
寝ても覚めても
クッキー缶のことばかり。

毎年秋になると今年も終わるなぁ
はやいはやい、と思いながら
年末へ向けてのカウントダウンがはじまる。
クリスマスだ、クッキー缶…
やりたいのに、やりたくない
やりたくないのに、やってしまう。
苦労の先の、達成感を知ってしまっている。
ほんの少しの喜びのために
こんなにも大変なのに
やってしまうのだ。

二ヶ月ほど前から考えはじめて
今年はどんなのにしようか
あれはどうか、これはどうか
怒涛の試作まつりと、
画期的なアイディアがわかないか
知らぬ自分に期待してみたりするけれど、
現実は凡人、しょせん素人で、
プロのようには全くうまくいかない。
それでもなんとか悪あがきしながら
内容決定まで進めていく。
ここまでが、第一弾のプロセス。

第二弾は、日にちと製作計画と事前準備を
もれなくつめて、製作日までじりじりと過ごす。
第三弾はいよいよ生地作りで、
どうか頭がおかしくなって計量間違えませんように、とか、ミキサー頑張って!オーブン頼りにしてます!と念力を送りながら、大量の生地作りをする。
第四弾はとうとう焼成。
朝から晩までオーブンをフル稼働させ、手はバカになり、生地を伸ばしては型を抜き、測り、挟み、コロコロする。
今年は九百コロコロ予定。
もう考えただけで、コロコロの恐怖。
やったーーできたー!と思って油断することなかれ、第五弾の詰め作業とラッピングが待っている。
この辺になると、みんなのテンションがちょっとおかしくなっていて、好き勝手に歌ったり笑ったりしている。
指が吊ったらもうおしまいだと思いながら、
最後の梱包作業。
チェックしながら、あああ、終わる〜と脱力。
そして、みなさまの元へお届け。

こんな一連の流れで製作が行われている。
ただ、わたしが軽い気持ちで、クッキー缶かわいいなとはじめたあの日。
その日からスタッフも巻き込まれて、
余計な仕事が増えました、ごめんなさい。
だけど、この完成の達成感を味わって、
みんなやったでー!おつかれー!
と言いたいのです。
そしてひとりではなく、みなで作りあげること、お客さんが喜んでくれること、
これを味わいながら、一年を終えたいのです。

クッキー缶が終わっても、
クリスマスがあるのだけれどね。

という最近。
寝ても覚めてもクッキーのことしか考えていません。
どうかどうかどうか、無事におわりますように。
お知らせはまもなく。